公益社団法人
日本薬剤師会

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画像公益社団法人日本薬剤師会

  • 常務理事髙松 登 様
  • 副会長渡邊 大記 様
  • 常務理事原口 亨 様

全国、都道府県、そして地域。
すべての薬剤師が能力を発揮できる
システム基盤づくりを目指して。

日本の職能団体の中でも130年以上の歴史を誇り、日本医師会、日本歯科医師会と並ぶ「三師会」の一つでもある日本薬剤師会。この度、研修プラットフォームに「manaable」を採用いただいた背景について、渡邊大記副会長、髙松登常務理事、原口亨常務理事にお聞きしました。

−集合参加型研修からWebやeラーニング研修にシフトして以降、どのような変化がありましたか?

渡邊副会長

新型コロナウイルス感染症が発生する以前は、日本薬剤師会を含め全国の都道府県薬剤師会では、薬剤師の資質向上や医療安全の向上など、生涯学習に役立てていただくために、多くの集合参加型研修会を開催してきました。しかし、コロナ対策でWebやeラーニングでの研修に重点をおいて実施せざるを得ない状況となりました。しかし、これによって、研修会場が遠いなどの理由で参加できなかった薬剤師が、研修会に参加しやすい環境になったのも事実です。

髙松常務理事

本当にそのとおりです。薬剤師の資質向上という点において、やはりバラバラで研修を受けるよりも系統立てて受けていただきたいという想いがあります。たとえば、ある薬局において「皮膚科が多い、眼科が多い」などの偏りがあると、他の疾患の体験が不十分となり経験が積めません。私たちは平成30年から研修シラバスを作成し、偏りのない研修を目指していますが、Webやeラーニングはこれを実現させるのに一役買っていると思います。

原口常務理事

確かに新型コロナウイルスの影響でICTが5年も10年も進んだと考えれば、研修の形態を変えるいいタイミングだったのかもしれません。日本薬剤師会としてはコロナ発生後の2020年2月末から集合での研修や会議はすべてストップし、2020年8月末より対応可能な薬剤師会からWebでの研修を始めました。しかしすべての薬剤師会が同じタイミングで進めたかというとやはりそこは難しかったです。ICTに詳しい人が先に始め、同じことを地域薬剤師会にしてもらいたいと思ってマニュアルを作成し配布しましたが、できるところとできないところがありましたね。

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−Webやeラーニング研修での課題が出てきたのですね?

原口常務理事

はい。みんな分散的にやっていて、研修実施も申込みも方法がバラバラという状態でした。

渡邊副会長

また、以前のようなピッチで研修ができないのも問題であると感じていました。それまでWebでの研修があまりなかったので、慣れていなかったのもあると思います。また、隣の県の研修が何をやっているのか分からず、都道府県の垣根を越えて全国で利用できるプラットフォームがあればと考えました。さらに研修会の実施にあたっては、企画から受講の申込み、管理にいたるまで手作業で行っているところが多く、事務作業が一定の負担になっているのも問題でした。

髙松常務理事

地域薬剤師会における課題も出てきました。薬局は地域に密着して業務を行っているので、地域に限定した研修会も大切です。地域薬剤師会では薬局を閉めてから現場の人たちが研修会を行うのですが、結構労力がかかります。日本薬剤師会、都道府県薬剤師会、地域薬剤師会と3層構造で利用できるプラットフォームがあればと考えていました。

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−そのような課題を解決できたのが、「manaable」だったのですね?

渡邊副会長

はい。各都道府県薬剤師会が行っているさまざまな研修形態の管理・運営を一元的に行うことができるようになりました。各都道府県薬剤師会はライブ配信やオンデマンド配信の研修形態だけではなく、これまでの集合参加型研修を作成することもできます。事務作業の軽減にもかなりつながりました。

原口常務理事

そうですね。受講者の受付から、受講料が発生する研修会の場合は、その支払い状況も含めて管理が可能です。さらに受講終了後にはアンケートや試験を実施して、受講修了証を交付することができます。

髙松常務理事

研修会の構成を考える上でも、日本薬剤師会が「manaable」上に提供するコンテンツを、各都道府県薬剤師会が利用して研修会の開催も可能になります。また各都道府県薬剤師会が作成したオリジナルコンテンツを「manaable」上にアップロードし、研修を作成することもできます。その両方を組み合わせて研修会をカスタマイズすることも可能です。これは、都道府県薬剤師会にとどまらず、地域薬剤師会でも利用できるように準備をしています。

原口常務理事

すべての薬剤師会で研修内容やコンテンツが共有できるようになるのは素晴らしいですよね。日本薬剤師会、都道府県薬剤師会、地域薬剤師会それぞれにおいて必要なものを必要なときに共有できる仕組みを作っておくのは理想的だと思います。それに、「あそこの研修はすごいよね」と共有できれば、切磋琢磨してさらに質のいい研修を提供できるようになるのではないでしょうか。

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−「manaable」は、受講者となる薬剤師にとってもメリットが大きいですか?

渡邊副会長

もちろんです。研修のポータルサイトとして活用できるため、マイページにて各受講者が過去に受講した研修やこれから受講する研修を管理することができます。また、研修運営側の事務的作業が減り、研修のコンテンツ自体に集中できるため、コンテンツの質の向上も期待できます。そういう意味でも「manaable」は受講者にとっても非常に使い勝手がよく、研修の本質に目を向けやすいシステムだと思います。

髙松常務理事

今は共働きの薬剤師が多いので、休日や夜の研修になかなか参加できない人もいます。学ぶための環境が整備されている「manaable」なら、そのような人たちの強い味方になるのではないでしょうか。

原口常務理事

そうですね。特に薬剤師は女性が多いので、出産や育児などでどうしてもインターバルが入ります。現場にいなくても継続的な研修を受講できるのはいいですよね。将来の予測ができないことが色々と起こっている今、迅速に動ける仕組みが整っているのは心強いです。

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髙松常務理事

あと、受講者に「manaable」を利用してもらうことで、日本薬剤師会との距離感を縮めることにもつながると思います。さまざまなことを発信しやすくなりますし、日本薬剤師会への理解も深めてもらえるのではないでしょうか。

原口常務理事

確かに。渡邊先生や髙松先生のお顔を見て話を聞く機会ってほとんどなかったですが、実際に見て「こんなダンディな方たちなのね」と思ってもらえそうですね(笑)

渡邊副会長

(笑)。冗談はさておき、これまで以上に距離感が近くなるのは事実ですね。「manaable」の活用により、企画・実施する都道府県薬剤師会にとっても、受講する全国の薬剤師にとっても、未来につながる仕組みが構築できたと考えています。今後も継続していくことで、日本中の薬剤師、そしてその先にいる全国の患者さんたちに安心をお届けしてまいります。

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